清里リトリートのページへ

自分の暗闇を見つめ受け容れる

レナードさんの教えと初めて出会って心を大きく揺さぶられた数日後、4歳の娘と一緒にプラネタリウムに行きました。そこは、ドーム状になったスクリーンを見上げるように、寝転んで観られるようになっているプラネタリウムで、まるで宇宙に浮かんでいるような感覚を味わうことができます。

娘の温かい手を握りながら、星々と解説員の方の優しい声にほとんど眠りかけそうになった頃、ふとスクリーンに、大きな目が現れました。それは、一対ではなくただひとつの大きな目で、なにもかも見通してしまう透徹した輝きを湛え、まっすぐに私を見つめていました。そして、「もっと正直に。」というメッセージが私を満たしました。

スクリーンはすぐにそれまで通りの星空に戻り、私は隣にいる娘をそっと見ました。娘はその間ずっと、相変わらず一心に解説員の分かりやすいガイダンスに耳を傾け続けていたようでした。

やさしさとも厳しさとも違う、ただひたすら透徹したその静かな目は、その日以来、私の内面の暗闇を、私と共に見つめ、この世界で「私がだれになっているのか」を知る旅に同行してくれるようになりました。

私は、レナードさんの教えと、この大きな目とともに、自分についてのたくさんの発見をしているところです。たとえば、こんなことがありました。
あるとき、『「今この瞬間」への旅』を読みながら「投影」や「私は誰になっているのか」について考えていると、ふと「暗闇は暗闇のままに。」というメッセージがその目と共に私を満たしました。その目は、暗闇の中において光を必要としないようでした。そして私にも、暗闇を照らす「知識」と「言葉」を後ろに置いていくようにと、促しているようでした。

そこで、目を閉じ、暗闇に目をこらすように、目を慣らすように、自分の中に沈み込んでみました。しばらくの間はさまざまな言葉や思いが浮かんでは消え浮かんでは消えていきましたが、突然、「私は太った中高年の男女を憎んでいる。」という驚くべき認識が浮かんできたのです。

その衝撃的な認識のあと、「私は、太っていた私の両親に抱いた過去の憎しみを、まったく関係のない似たような体型の人々に、投影していたのだ」という直観的な理由づけがやってきました。そんなひどい偏見ってあるだろうか、と私は呆然とし、罪悪感と羞恥心と後悔を感じました。

でも、私のそばには、あの大きな目が、変わらずに在りました。私が狼狽しているその間もずっと共にいてくれたその目は、その瞬間、私の中に生まれた罪悪感も羞恥心も、ただ静かに見つめていました。

その目に励まされるように、私は覚悟を決め、そのひどい偏見を持っている自分を受け容れ、罪悪感と羞恥心を感じたまま、その感覚に留まりました。
するとそのあと、「自分は偏見を持っている」という認識はそのままに、「なんてくだらない偏見だろう」という思いが浮かび、思いがけず笑いがこみあげてきたのです。
まったくばかばかしい。そして、なんてもったいない。私はいままでどれほど素敵な人たちとの出会いを見逃してきたのだろう、ただその人が太っているという理由だけで。自分の映し出す影の中で、一体どれほど人生の瞬間を逃してきたのだろう。それは笑いを伴った、ある種爽快な、さっぱりとした心持ちでした。

驚くべきは、私の中に「太っている人が嫌いだ」といった自覚が、微塵もなかったことです。また、両親についても、子どもの頃には誰もが抱えるようなやり方で諍いがありましたが、すでに和解し、産み育ててくれたことや現在の私の娘をとても可愛がってくれることに、日々感謝の気持ちを抱いていることも、確かなのです。
そのことが余計に、自分自身についていかに知らないことがあり、ひっくり返さなくてはならない石がどれほどあるのかを、私に知らしめてくれました。

この衝撃からふと我に返ると、娘が幼稚園バスで帰ってくる時間でした。私は慌てて時間の世界に戻り、バスの場所へと急ぎました。

娘のバスを待ちながらぼんやりしていると、一匹のハエが8の字を書きながら飛んでいるのが目に入りました。「このハエは、いま私に何の投影もしていないんだろうな。私よりもずっと真実を生きている。少なくとも、いまの私よりは。私も真実を生きたい。このハエのように。」と強く感じました。

その日以来、その大きな目は、夜眠りに落ちる直前に時々現れ、私をじっと見つめて、消えていきます。私は、「もっと正直に。」というメッセージを思い出しながら、眠りに落ちます。

認めてこなかった自分の暗闇を見つめ受け容れることは、けっして怖いことではなく、むしろ知らないでいるままのほうが恐ろしいのだということを知った今、どんな自分も発見していきたいと、心から思っています。

すばらしい気づきを与え続けてくれるレナードさんの教えに、感謝を込めて。(30代 女性)

清里リトリートのページへ