推薦コメント「中国禅研究者 猪崎直道 氏」

「私からみたマスター・レナード・ジェイコブソン」

私たちは、時間のトリックにはまり切っていて、今から10年修練すれば、いや20年修練すればきっと悟れるだろうなどと勝手に未来を想像し、現在の修練に集中できていません。私は、若い頃にワンネス体験(これを禅では見性(けんしょう)体験という)をしました。その時、当時の師に「あと5年か10年修行すれば、必ず悟れる」と言われました。私は、その言葉に引っ掛かり、いつも未来を設定し、期待して坐禅していました。これは、マスター・レナード・ジェイコブソン(以下、マスターと記す)の言う「今に在る」という教えに全く反していることになる訳です。もちろん、古来より禅の世界でも「今に生きよ」と言っていたことは言うまでもありません。しかし、私は、頭の中でだけで「今に在る」を理解していただけで、本当の意味はわかっていませんでした。マスターに出会って教えを受け、やっと心の底から納得した理解を得ることができました。

禅では、悉有仏性(しつうぶっしょう。全てのものには仏性がある・全ては神である)、悉皆成仏(しっかいじょうぶつ。全てのものは皆悟っている・全てのものは神である)などと言います。マスターが、身近な鉛筆や机や花とひとつになる訓練をさせるのは、マスターが、それらの中に神(大いなる全て)が存在しているということを、はっきりと見ているからです。

禅の老師は、私にいつも「あんた、もっともっとバカにならんといかんですわ」と助言してくれていました。私たちは、この現象世界(相対世界)で生きていると、知識、常識、学問などを蓄積して立派な人間になることが大切だと教えられます。その為に私たちは、考えるということが習慣になってしまっています。それをマスターは、「考え中毒」と言います。この「考え中毒」が、私たちを本来の自分から遠ざけ、目覚めることができないようにさせる大きな原因となっています。お釈迦様は「あなたたちは、幻を見て、幻の中に生きている。幻から目覚めよ」というようなことを言っています。それは、マスターの言う「マインドの中に生きている」ということと同じことなのです。マスターは、上手く方便を使い、「考え中毒」の私たち迷える子羊を、本来の自己へ導いて、目覚めさせてくれる偉大なる指導者です。私が今まで学んできた禅の世界でも、「考えるな」ということをしきりに言っています。私も禅寺や禅道場で「考えるな」を長い間実践してきましたが、完全には納得できませんでした。しかし、マスターの説明を聞いて心から納得でき、目から鱗が落ちる思いでした。

私は、マスターのリトリートに初めて参加し、お話を聞いた時、マスターから放射される力強い愛と叡智の波動に驚きました。マスターの言葉は、私の心に強く、深く浸透して行きました。マスターに接しているだけで、深いプレゼンス(瞑想状態)に入っている自分に気がつきました。特にマスターが、私の目を間近で見つめてくれた時には、心と体に電流が走ったかのようでした。そのせいか、その後1ヵ月間は2~3秒に一回、マスターが私の目の前に出現してくれました。現在でも5分間に一回は現れ出てくれます。私は、その度にプレゼンスにあらねばと気を引き締めています。真に覚醒したマスターは、このように霊的にも指導してくれます。マスターの教えは、どの宗教、宗派にも偏らず、宗教くささがありません。マスターは、普遍的真理をズバリとシンプルに解説してくれます。

猪崎氏とレナード。2015年9月東京のプログラム中にて

<プロフィール>
1951年12月22日 宮崎県生まれ、茨城県育ち。駒澤大学仏教学部卒業。駒澤大学大学院博士後期課程(仏教学)修了。東京大学、筑波大学でも学ぶ。元駒澤大学仏教経済研究所研究員。元寺院住職。著書に原田健児のペンネームで『心の旅―ある求道者の完成への道』、本名で『ピュア禅―悟りについてよくわかる中国禅僧列伝』。

子供の頃から、お釈迦様やイエス様の伝記を読み、聖なる世界に憧れる。中学時代に幽体離脱を体験する。高校時代から、あの世のものを見るようになり、その謎を知りたいと思うようになる。25歳の頃から、少しずつ坐禅(瞑想)を始める。その後、禅寺や禅の道場に入り「日本で五指に入る禅の高僧・最後の禅僧」と言われた老師や「日本で一番坐禅のできる禅僧」と言われた老師など9人の師につく。その間、坐禅中に見性(ワンネス)体験をしたり、霊界の聖者達に出会う。学問の専門は、中国禅。仏教に限らず、他宗教や現代欧米の思想にも関心を持つ。