ツーステップを積み重ねて、起きた変化と奇跡体験

今から6年前、私はラマナ・マハルシ、ニサルガダッタ・マハラジ、プンジャジさんの本を読んでいました。それ以前より、私の中から、真実を知りたいという思いが沸き起こり、それは、日々月々年々強くなっていきました。寝ても覚めても、朝も夜も、ただ真実を知りたいという思いだけに支配されていました。

それは、ちょうど若い頃の命をかけた激しい恋愛に一番近い感覚かもしれません。彼らの本は難しかったのですが、なぜか理解できない文章に心身が反応したりしました。例えば、「物事は理由も原因もなく、ただ起こる」「行為は続けて起こるが、そこに行為者はいない」「覚者は眠っていても、それに気づいている」などを読むと、理解できないのに心臓がドキドキしたり、体がかーっと熱くなったりしました。

そして、理解できないのは、自分が理解できるレベルにないからだと思いました。そして、心から理解したいと思いました。また、「固く決意しなさい。真剣さと誠実さが、あなたを目的地まで運ぶだろう。あなたが真剣ならば必ず助けは現れる」などを読むと、私はあふれる涙と共に一人でもかまわない、この道なき道を行くことを固く決意していました。
しかし、肝心な日々の生活の中で、何をどのようにしたらよいのかと読み取ることができませんでした。

そんな時、出合ったのが、「今この瞬間への旅」でした。一度読んで、すぐに神様が私に送ってくれた本だと直感しました。なぜなら、私が最も望んでいた日々の生活の中で、何をどのようにしたらよいのかが詳しく、とてもわかりやすく書かれてあったからです。もちろん、今西さんの訳もすばらしかったからだと思います。

私は、すぐ本の要点をノートにまとめ、その日からツーステップ人生が始まりました。実践すれば、必ず何か体験し、その体験が次の実践へとつながっていました。

最初の頃、過去からの感情が浮上して圧倒された時、どこからともなく、声なき声が聞こえてきました。それは、男性の声で、「それと共にいるんだ」と言いました。その声が聞こえると、不思議と大きな呼吸が始まり、私は呼吸を観察しながら、その感情と共に過ごすことができました。その声は、その後も何回かやってきて、私をサポートしてくれました。

ある時、職場で、ある人の言動に対し、自分の中から、怒りの感情が湧き起こるのに、すぐ気づきました。仕事中だったけれど、少しでも、その感情と一緒に居たいと思い、私はその部屋を出ました。部屋を出た途端に、その怒りの感情は、至福に変わってしまいました。きちんと仕事をこなして、交通事故に遭うこともなく、家に戻ることができました。夕食を終える頃、4時間続いた至福の感覚は、静かに去っていきました。

この頃から、私はとても一人で、この道を歩いているのではないと思いました。誰かが見ていてくれる、誰かが一緒に歩いてくれている。レナードさんの本の中に「本書は、あなたの中に眠っている巨人を解放する力を秘めています」または、「真のマスターは、あなたの内側から出現します」と書かれてあります。この誰かとは、巨人であり、真のマスターなのだと思いました。

ツーステップを実践して4年、今でも信じられない変化があります。それは、両親に対する嫌悪感、特に父親に対する怒り、亡くなった夫に対する罪悪感が、少しずつ薄紙をはぐように消えていったことです。

そして、丸4年が過ぎた頃、大変なことが起こりました。私の唯一の家族、犬ですがラブラドールレトリバーの結(ゆい)が突然の病に倒れました。下半身不随になり、それ以後、寝たきりのオムツ生活になりました。原因は特定されませんでしたが、先生は、彼女の命が、そう長くないことを覚悟するように言われました。13年前に、夫が亡くなり、私共夫婦には子どもが授からなかったため、結は娘も同然でした。

ショックは大きく、あとからあとから、悲しみがあふれました。しかし、その度に十分に悲しみを感じると同じところから、すごいファイトも湧いてきたのです。よーし、愛いっぱいの中で、この子を送ろうと。

それからは、仕事以外の時間は、すべて彼女と過ごしました。動かなくなった足をマッサージし、体を拭いて、話をし、おしめを替えて、同じ部屋で眠り、悲しいのに充実した、苦しいのに楽しい、そんな日々が過ぎていきました。

しかし、レナードさんの初めての日本でのリトリートの申し込みが始まる頃から、マインドがざわつき始めました。私は、リトリートに参加したかった。しかし、結がこのままだったら、私は行くことができない。

ある日、彼女に、ご飯を持っていくと、彼女はすごい勢いで完食しました。それを見た時、エゴが言いました。「何で、そんなに食欲があるの。いつになったら弱るの。あなたがこのままだったら、私はリトリートに申し込みできない」と同時に、それをじっと見つめる意識がありました。

それまでも、こういう体験はありましたが、この時程、マインドから離れており、一切のジャッジメントもなく、ただ見ている状態は初めてでした。それは、静寂と絶対的な安心感で満ちていて、とても、この世の次元とは思えませんでした。次の日も、その次の日も、結がご飯を完食するのを見るたびに、エゴはおなじことを言い、同時に、それを観ている意識がありました。

5日が過ぎた時、ふと思いました。このエゴが一生で続けるなら、私は一生この子と付き合おうと。なぜなら、無知だったが故に、この子を抑圧し、無視してから。初めて、エゴの母親になったような気がしました。10日が過ぎて、11日目、結は同じように完食しましたが、それを見て、ふと思いました。あれ、あのエゴがやって来ないと。その日を境に、エゴは一切何も言ってこなくなりました。

2月10日、結は肺炎による呼吸不全で亡くなりました。その日の夜、幸運にも、私は、今西さんと話をするチャンスをいただきました。事の一切を話し、これから、リトリートの申し込みをしたい旨をお伝えしました。今西さんは、温かい言葉をかけてくださり、最後に、私には驚くべきことを言われたのです。それは、「今日が早割り最後の日なので、今日中に申し込んでいただけば、早割りでお受けできます」というものでした。もちろん、私は、その日が早割り申し込みの最終日だということは、全く忘れていました。

家にファックスもパソコンもないので、私は、近くのコンビニに急ぎました。この日は、とても寒い日で、空の星がとてもきれいに輝いていました。その星の光を見た時、結からの強いメッセージを感じました。「お母さん、ありがとう。 私のために、たくさん治療費を使っちゃったでしょ。だから、せめて、早割りが効く間に、お父さんの所へ行くね。でも、お母さんと、できるだけ一緒に居たいから、早割りの前日でもなく、前々日でもなく、当日に行くって決めていたんだ。私は、お母さんの望みを知ってるよ。だから、リトリートで、たくさん勉強してきてね。 レナードさんと今西さんによろしく。」

私の身に起きた、この奇跡体験には、二つの要因があると思います。ひとつは、結の私への愛、もうひとつは、決してぶれることなく、ツーステップを積み重ねたこと。私の望みは、この世の中で、楽しく幸せに暮らすことではありません。この私という個人が、今後どのようにリスクを背負うことになったとしても、望みはただひとつ、真実を知ること。

レナードさんも、本の中で言っています。「あなたを解放するのは真実です。どうか真実だけを求めてください」と。だから、日本人のレナードさんの一生徒として、レナードさんに宣言します。残された人生、真我実現に命をかけますと。(50代 女性)