プレゼンスの豊かさ

気が付くと、ふと不安の声が頭を占領していることがあります。
ぼんやりと食器を洗っているとき、道を歩いているとき、知らず知らずのうちに思考の翼に乗って「今この瞬間」から遠く離れ、無意識のうちにわたしは自ら不安の種を見つけに行きます。

小さな種から生まれ、ささやき声から始まった不安の声は、ぼんやりしたわたしの頭の中で力を得てうねりとなり、やがて旋風のように暴れ始める。
わたしはこの不快な不安を解消しようとして、「解決策を見つけ出さなくては」という新たに生まれた思考に目を奪われる。
「解決策を見つける必要性」が揺るぎない信憑性を持ちそうになる直前、わたしはハッとする。

わたしは今、プレゼンスから離れている。今この瞬間だけが真実なのに。

その事実を思い出したとたん、レナードさんの言葉が響く。
「今この瞬間、あなたが何かに傷つけられているだろうか」
いいえ。わたしは答える。何も、誰も、わたしを傷つけてはいない。
「今この瞬間、あなたに足りないものはあるだろうか」
いいえ。あたりを見回しながら、わたしは答える。呼吸する空気があり、心臓が脈打ち、わたしはいまここに存在している。
「それでは今この瞬間、解決策が必要な問題は存在するだろうか」
いいえ。なにもありません。

わたしは微笑む。
わたしはまた、ひとりで仮想の敵と戦っていたんだな。
自分の頭の中だけで。映画の「マトリックス」みたいに。

不安は跡形もなく消え去り、笑いと安心と新鮮さがやってくる。
わたしはふたたび食器を洗い始める。
あたたかいお湯も手を滑り落ちる泡も食器が触れ合う音も、すべてがはっきりと感じられる。
すべてが美しく、神性と知性に溢れ、そしてわたしは今ここで生きている。
深い喜びが、わたしを包む。

レナードさんの言葉はわたしの中で息づき、プレゼンスの支えのものに不安や痛みを受け容れ見抜き、真実の瞬間に立ち戻る手助けを、いつもしてくださいます。
レナードさんの素晴らしい教えと、今この瞬間という限りない恵みに、感謝を込めて。(40代 女性)